審美歯科知識

オールセラミックの事前処置にクリーニングは重要

オールセラミックを被せる前に、歯茎の状態を整え引き締める必要があることをご存知でしょうか?

オールセラミックだけではなく被せ物全般に言える事ですが、歯茎が腫れている状態でどんなきれいな被せものをしても、歯茎の腫れが収まった後に見た目が悪くなってしまうんです。

歯茎が腫れている状態に合わせて被せ物を作った場合、歯茎の腫れが収まり引き締まった場合と比べ、歯と被せ物の接合部分(歯茎の中の部分)の長さが明らか違ってきます。
その為、腫れが収まった後に歯と被せ物の接合部分が肉眼で見えるくらい露出してしまい、見た目が悪くなり何のために治療をしたのか?と思うほど本末転倒な結果になってしまいます。

そのため、ほとんどの方がオールセラミックの治療前にクリーニング(スケーリング)などでケアを致します。

早くオールセラミックにしたい気持ちはわかりますが、被せ物をする前に歯茎の状態を整え引き締めておくことは長い目で見るととても重要です。

歯茎が腫れる原因は歯石にあり

歯茎が腫れている=歯周炎なのですが、この原因は歯石にあると言えます。
そもそも歯石とは『歯垢(プラーク)が石灰化』したものです。
皆さんも一度は歯石取りをしたことがあるかと思いますが、特に歯と歯茎の境目にできます。
歯石には大きく2種類ございます。

【1】 歯肉縁上歯石  肉眼で見える黄白色の帯状に沈着する歯石
【2】 歯肉縁下歯石  歯肉の中に隠れて見えない黒褐色で点状に沈着している歯石

【1】歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき)について。

この歯石は歯肉縁より上の部分、歯肉と歯の境目の部分に沿って付着します。
白色や黄白色で肉眼で見える部分に付着するので、歯医者さんで撮られた画像で確認された事があるかたもいらっしゃるのではないでしょうか?

一般的に歯医者さんで『スケーリング(歯石取り』を行うことで比較的簡単に除去することが出来ます。

歯石とは歯垢(プラーク)と唾液中に含まれるリン酸カルシウムなどが結合したものなので、硬くて普段のブラッシングでいくら強くこすっても除去できません。

そして、唾液腺のある上顎奥歯の頬側と下顎の前歯付近に付着しやすいです。
普段の歯磨きで磨きにくいところですよね?

歯石の表面はザラザラしているので、歯垢が付着しやすく虫歯や、欲に歯周病になりやすくなります。歯肉縁上歯石が付いた状態のまま放っておくと、その中に住んでいる細菌が出す毒素によって歯肉が炎症を起こし、さらには歯と歯茎の隙間に入り込み歯肉縁下歯石の原因になっていきます。

【2】 歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)

この歯石は歯肉縁より下、歯周ポケット(歯肉と歯の隙間)の歯根部分に付着する歯石の事です。 
【1】の歯肉縁上歯石と比較すると、血液由来の黒褐色でとても固く、付着する速度は遅いものの除去がとても困難になります。
歯周ポケットの中という除去が難しい場所に付着するので、特別な器具を使い除去を行う『SRP(スケーリング・ルートプレーニング』という処置が必要になります。

歯肉縁上歯石と同様に中にはたくさんの菌がいるので、歯肉の炎症を起こし、通常密着して
いる歯と歯肉がはがれ、さらに歯石が付着しやすくなり歯周ポケットが深くなっていきます。

この歯肉縁下歯石と、その中に住むたくさんの菌が歯周病の一番の原因になります。
それらは歯肉に炎症を起こすだけではなく、歯を支える歯槽骨まで溶かしていくので、早めの
処置が大事になります。

歯槽骨が溶けてしまい、歯がグラグラと動揺し、最後には抜けてしまう事になると大変です。
抜けてしまった箇所は、ブリッジかインプラント、または部分入れ歯で補わなくてはいけなく
なってしまいます。

歯石は歯周病の原因となるので甘く見ないこと

このように歯石が、歯と歯茎にダメージを与え、ゆくゆくは歯周病の原因となることもあります。
長々と説明してきましたが、オールセラミックの治療に入る前にクリーニングなどで状況を良くしておくことは
欠かせない処置であることをお分かりいただけたでしょうか?

キレイにオールセラミックを見せるには、歯茎の腫れは禁物です。
そして歯と歯茎の健康のためにも歯石取りは欠かせません。

そしてこれは治療前だけの話ではなく、治療後のケアとしてもとても重要になります。
治療前に行ったからといって装着後のケアをしないと、同様に歯茎が腫れ、歯周病などにより歯茎が下がり、同様に歯とオールセラミックの境目が見えてきてしまう原因になります。

オールセラミックをしていない人でも毎日の歯磨きをしっかりと行い、そして3ヶ月に1回程度は歯科医院でのクリーニングが必要とされています。

何故かオールセラミックは「汚れない=ケアが簡単」というイメージを持たれていますが、そんな訳はありません。
オールセラミックは陶器なので、お皿と同様に洗わないと細菌がつきます。

歯をせっかく綺麗にしたらならこれを維持するためにもこれまで以上にケアはしっかりと致しましょう。

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